米Microsoftは米国時間5月19日,保険業界における情報交換技術の普及を推進する非営利団体Association for Cooperative Operations Research and Development(ACORD)と,XML対応のデータ管理に関する提携を発表した。ACORDは,Microsoft社の情報収集プログラム「Office InfoPath 2003」を用いて500種類の保険申込書を作成する。

 Office InfoPath 2003は,XMLベースのWebサービスやXMLを利用して収集した情報を,動的に組み合わせる。保険代理業者は一度書類を作成すれば,データを他のフォーム,データベース,バックエンド・システム,アプリケーションなどに連携させることが可能。また,.NET対応Webサービスを用いて,電子メールや印刷,データ指定といった機能を追加することができる。

 InfoPathベースの申込書を利用することで,「処理時間を短縮し,コストを削減するほか,入力ミスも減らすことができる」(Microsoft社)。

 ACORDのCEO,Gregory Maciag氏は「InfoPathによって,ACORDの標準フォーム『ACORD Forms』の迅速な提供とアップデートを実現し,ACORD Formsに関するWebサービスの展開を促進する」と述べた。

 ちなみに今回の発表の約1週間前に,国連欧州経済委員会(UNECE)とMicrosoft社はInfoPathと「Office Project Professional 2003」のベータ2バージョンを用いて,電子形式のドキュメント交換のプロトタイプを披露している。米郵政省とカナダ郵便公社が作成したWebサービスを介して電子署名を実行することができる。

 なおOffice InfoPath 2003は,企業向けオフィス・スイート「Office 2003 Professional Enterprise Edition」の一部として提供する。ボリューム・ライセンスやOEM向けにはスタンドアロン製品としてリリースする予定である。

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