全米小売業協会(NRF)のオンライン部門であるShop.orgは米国時間5月15日,米国オンライン小売市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年における同市場の売上高は前年比48%増の760億ドルに達した。

 この調査は,130社以上の小売業者を対象に,米Forrester Researchの協力を得て実施したもの。 2002年は売上高だけでなく,利益も確保している。「黒字を計上した」と答えた企業は70%。2001年は56%だった。

 2003年の米国オンライン小売市場の売上高は前年比26%増の960億ドルに達し,7製品分野で40%以上の成長率をみせる見込みだ。2002年に好調だった分野は,コンピュータのソフトウエアおよびハードウエアで,オンライン販売による売上高が小売販売全体の32%を占めた。その他,イベント・チケットのその割合は17%,書籍は12%だった。オンライン販売の売上高が小売販売全体に対して占める割合は,2002年の3.6%から2003年は4.5%に拡大する見通しである。

 各社はマーケティング予算を削減するため,高価なポータル契約から,業績ベースのアフィリエートや検索エンジン・マーケティングに移行しつつある。これにより,発注1件あたりのマーケティング費用を12ドルから8ドルに削減できた。ちなみに店頭販売のマーケティング費用は,発注1件あたり5ドル,カタログ販売では同7ドルである。

 また,オンラインと実店舗の連動に注力する企業が増えている。企業の63%は在庫管理システムを改善し,SCMの強化を図った。40%が店頭での在庫状況をオンライン上で公開しており,78%がオンライン購入製品の返品を店頭で受け付けている。

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