米司法省は,インターネット上の詐欺行為撲滅に向けた取り組み「Operation E-Con」の一環として130人以上を逮捕したことを米国時間5月16日,明らかにした。

 米司法省長官のJohn Ashcroft氏,同省副長官のMichael Chertoff氏,米連邦捜査局(FBI)長官のRobert Mueller氏,米連邦取引委員会(FTC)委員長のTim Muris氏が報告したもの。

 Operation E-Conは米国43州の検察局,FBI,FTC,郵政監察局,秘密検察局,移民および税関取締局と米国内外の地域当局が協力して推進している。インターネット犯罪には,オンライン・オークション詐欺,個人情報の盗用,ソフトウエアなどの著作権侵害行為などがあり,数百万ドルの損害を生み出すことがある。報告によると,今回の逮捕で1700万ドル以上を押収したという。

 「オンライン詐欺行為に新たな法的手段で立ち向かう。インターネットでは,犯罪者が匿名性を悪用して身元を隠している。犯人がオンラインのクモの巣(Web)の中に姿を消してしまわないうちに,法的措置を講じることが急務である」(Ashcroft氏)

 ちなみにOperation E-Conでは,これまで90件以上の捜査を実施したという。被害者数は8万9000人にのぼり,被害総額は1億7600万ドルを超える。

 また,今回の米司法省の発表を受けて,米国のソフトウエア関連業界団体Software & Information Industry Association(SIIA)は同日,称賛の意を表明した。「米司法省の不屈の努力をたたえる。同省はインターネットを利用したソフトウエア著作権侵害行為と闘うために迅速で重要な措置を講じた。これにより,ソフトウエア著作権侵害行為は厳しく処罰されるのだというメッセージを,潜在的犯罪者にはっきりとつきつけた」(SIIA議長のKen Wasch氏)

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]