米Gartnerが米国時間5月14日に,世界ファイバ・チャネルSAN(Storage Area Network)市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年におけるファイバ・チャネルSAN部品の売上高は14億7000万ドルで,前年の14億3000万ドルに比べ3%増加したという。

 Gartner社ストレージ調査グループ調査担当副社長のJames Opfer氏は,「ファイバ・チャネル業界は以前よりも成長速度が鈍っているが,わずかながら増加したということは,厳しい時期でもストレージ製品メーカーに力強さがあることを示している」と分析する。「同市場は2002年も寡占傾向が進み,上位4社が売上高全体の85%を占めるまでになった」(同氏)

 2002年の市場は,米Brocade Communicationsが引き続き1位を獲得し,売上高ベースのシェアを前年の32%から34%に拡大した。2位は米Emulexで,前年に比べ23%も売上高が増えた。最も成長したのは4位の米QLogicで,前年比24%増収だった。

■2002年における世界ファイバ・チャネル部品の市場シェア(売上高ベース)

企業名             2002年市場シェア   2001年市場シェア    売上高成長率
                        (%)            (%)            (%)

Brocade                   34                32                10
Emulex                    19                16                23
McDATA                    17                17                 7
QLogic                    15                13                24
Hewlett-Packard            4              ランク外          ランク外
その他                    11                22               -51
合計                     100.0             100.0               3.0

出典:Gartner社のDataquest(2003年5月)

 2002年の市場を製品別でみると,ファイバ・チャネル・スイッチング製品の売上高が8億4700万ドルで,前年に比べ6%増加した。同製品分野でも,Brocade社がシェア59%と他社を圧倒している。2位の米McDATAは30%のシェアを確保した。3位のQLogic社は大きく引き離され、シェアはわずか5%。

 ファイバ・チャネル・ホスト・バス・アダプタ(HBA)製品の売上高は5億7000万ドルで,前年比1%増。この分野ではEmulex社がトップで,48%のシェアを占めた。続くQLogic社のシェアは32%。3位の米Hewlett-Packardは自社向けに製品を供給している。

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