米EDS(Electronic Data Systems)は,2003年第1四半期の決算報告を米国時間5月7日に発表した。前年同期の純利益3億5400万ドルに対して,同期は1億2600万ドルの純損失を計上した。前年同期の1株当たりの利益は72セントに対し,同期は1株当たり26セントの損失だった。

 同期の売上高は,前年同期から2%増の53億7000万ドル。為替を前年と同レベルで固定した場合には3%減だった。同期は設備投資を抑えてフリー・キャッシュ・フローは,前年同期の1億8400万ドルの現金流出に対して,1億2200万ドルを記録した。

 同期の損失には,米海軍海兵隊のイントラネット・プログラム(NMCI)に関わる3億3400万ドルの累積損失が影響を与えている。NMCI関連以外にも,前CEOの退職金関連の4800万ドル,非継続事業からの損失100万ドルなどが含まれる。

 NMCIの契約に関しては,平均シート価格の予算と開発スケジュールの調整が必要だったため,同期において損失を計上した。同社は,同年のフリー・キャッシュ・フローにおよそ1億ドルのマイナス影響を与えるとみている。同契約のキャッシュ・フローは,2004年中旬まで黒字にならないが,2004年以降は19億ドルを越えるキャッシュ・フローの生成を見込んでいる。

 同期における営業損失は1億400万ドルだった。NMCI契約の損失と退職金の経費を除くと同期の営業利益率は5.1%だった。前年同期は11.2%だった。

 2002年下旬に締結した外注契約からの収益は,General Motorsからの収益減少で相殺された。General Motorsからの売上高は,同社の消費支出の削減努力により前年同期から16%減少の5億7100万ドルだった。

 今後の業績の予測に関しては,同社の執行副社長であり最高財務責任者のRobert Swan氏が,「包括的な戦略的,また経営的な見直しを行なっている最中であり,同年後半の事前予測を提供する段階にない」とコメントしている。同社は,中心となるアウトソーシング事業の改善に注力していくという。

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