米Advanced Micro Devices(AMD)は,ポータブルなメディア,データ端末の開発に向けた参照デザイン・キット「AMD Alchemy Solutions Portable Media Tablet Reference Design Kit(RDK)」のサンプリング提供を開始した。同社が米国時間5月5日に発表した。同社は,米ニューオリンズにて開催中のWinHECにて同キットのデモを実施している。

 同RDKは,モジュラ型の参照デザイン・プラットフォーム。同社の高性能低消費電力プロセサ「Au1500」をベースとして,ハードとソフトの両方でOEMによるWebタブレット・デバイスの市場投入を促進するソリューション。システム全体の消費電力が低く,バッテリー寿命が長いWebタブレット・デバイスを開発できる。

 オーディオとビデオ機能を強化してバッテリ寿命を拡張したプラットフォームは,Windows CEとLinuxの両方で動作する。モバイルのインターネット閲覧とともに,デジタル・ビデオ,音楽,写真の再生などを行なう消費者向けアプライアンスにおける高度なマルチメディア機能の提供を可能にする。また,ユーザーは,無線ネットワークを介してメインのPCにリモートからアクセスできるようになる。

 同キットは,Philipsのビデオ・プロセサ「TriMedia」とSilicon Motionのグラフィック・コントローラを統合してMPEG1,2,4,Windows Media Video 8,9,MP3,高度な2次元グラフィックなど,広範囲に渡るマルチメディア再生機能を提供する。

 また,Mini PCIタイプの無線LANがサポートする「802.11b」,「802.11g」,「802.11a」といった複数の無線LAN標準に柔軟に対応する。新しいRDKは,12.1インチ,解像度1024x786ドットから最高1280x1024ドットまでのディスプレイに対応する。

 現在サンプリング提供されている同キットは,同年8月にリリースが予定されている。価格は3500ドル。同キットに関する詳細は,同社サイトに掲載されている。

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