米Priceline.comは米国時間5月1日,2003年第1四半期の決算を発表した。売上高は2億50万ドルで,前年同期の2億6190万ドルから減少した。GAAP(会計原則)ベースの純損失は800万ドル(1株当たり損失は4セント)。前年同期のGAAPベースの損益は390万ドルの黒字(1株当たり利益は2セント)だった。

 なお,一時的な費用を除いた場合,2003年第1四半期の純損失は110万ドル(1株当たり損益はゼロ)となる。

 粗利益は3300万ドルで,前年同期の4200万ドルと比べて減少した。粗利率は16.5%で,前年同期の16%からわずかに拡大した。

 2003年第1四半期は,ホテル予約サービスが成長し,粗利益が増加したほか,パッケージ旅行やレンタカー,小売りなどが好調だった。当期中に75万人の新規顧客を獲得し,顧客数が合計1690万人となった。リピーターによる取引は66.5%を占めた。

 「ホテル予約サービスの売上高が前年同期比37%増,前期からは30%増加した。イラク戦争が米国の航空会社や旅行業界全般に悪影響を及ぼしたにもかかわらず,戦争前に発表した業績見通し内に収まったことは喜ばしい」(Priceline.com社社長兼CEOのJeffery H. Boyd氏)

 同社は,第2四半期の見通しについても明らかにした。「好調なホテル予約サービスやパッケージ旅行,レンタカー,小売りなどが牽引し,黒字に回復することを期待している」とし,GAAPベースの1株当たり利益を2~3セントと予測する。ただし,不安定な中東情勢やテロの脅威,SARS流行などが業績に悪影響を与える恐れがあり,今後の業績見通しについては予断を許さないと述べている。

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