米IDCが米国時間4月30日に,2003年第1四半期の世界携帯電話市場に関する調査結果を発表した。それによると,世界の携帯電話出荷台数は1億760万台で,前年同期と比べて16.6%増加した。しかし前期からは12.4%減少した。
IDC,Smart Handheld Devicesプログラム部門調査アナリストのRoss Sealfon氏は,「カラー・ディスプレイやデジタル画像の登場に加え,スマートフォンの台頭が,引き続き世界市場の成長を後押しする」と述べた。「新たな技術とフォーム・ファクタに支えられた第1四半期の結果から,市場は2003年を通じて健全に成長するとみる」(同氏)
スマートフォンは,普及に加速がつき始めたところだ。2003年第1四半期の出荷台数は171万台で,前年同期と比べて438.3%も急増し,前期からは37.6%増加した。第1四半期は,「Palm OS」「Pocket PC Phone Edition」「Symbian OS」やWindowsを搭載した新たなスマートフォンが市場に登場した。「これらのスマートフォンが,2003年以降の市場拡大に貢献するだろう」(IDC)
世界携帯電話市場のメーカー首位は,フィンランドのNokiaが維持した。Nokia社の出荷台数は,2位につけた米Motorolaの2倍以上にのぼった。3位の韓国のSamsungは,市場全体が前期より縮小したにもかかわらず,出荷台数を前期比4.1%伸ばした。スウェーデンのEricssonとソニーの合弁会社Sony Ericsson社がトップ5から落ち,代わりに韓国のLG Electronicsが5位に入った。LG Electronics社の出荷台数は,前期比30.7%増,前年同期比109.7%増加した。
■2003年第1四半期における携帯電話のメーカー別世界出荷台数(速報値) 順位 メーカー 出荷台数 市場シェア 1 Nokia 38,150,400 35.5% 2 Motorola 16,700,000 15.5% 3 Samsung 13,200,000 12.3% 4 Siemens 8,000,000 7.4% 5 LG 5,620,000 5.2% その他 25,916,102 24.1% 合計 107,586,494 出典:IDC
■2003年第1四半期におけるスマートフォンのメーカー別世界出荷台数(速報値) 順位 メーカー 出荷台数 市場シェア 1 Nokia 980,000 57.3% 2 SonyEricsson 190,000 11.1% 3 Motorola 127,000 7.4% 4 Samsung 88,000 5.1% 5 Handspring 70,000 4.1% その他 255,557 14.9% 合計 1,710,557 出典:IDC
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