英Sophosが米国時間4月30日に,2003年4月におけるコンピュータ・ウイルスなどの被害状況に関する調査結果を発表した。それによると,ワースト1は「Klez-H」で,15カ月連続してワースト10にランクインした。また10位には,ユーザーの意思と関係なくパソコンに電話をかけさせる「Datemake-A」が初登場した。
■2003年4月の被害ワースト10 順位 名称 通称など 全体に 対する割合 1 W32/Klez-H (Klezの亜種) 12.7% 2 W32/Lovgate-E (Lovgateの亜種) 4.9% 3 W32/Bugbear-A (Bugbearワーム) 4.3% 4 W32/Sobig-A (Sobigワーム) 3.3% 5 W32/ElKern-C (Elkernの亜種) 2.9% 5 W32/Yaha-E (Yahaの亜種) 2.9% 5 W32/Yaha-K (Yahaの亜種) 2.9% 8 JS/NoClose (NoCloseワーム) 2.1% 9 W32/Flcss (FunLove) 1.9% 10 Dial/Datemake-A (Datemakeダイヤラ) 1.6% その他 60.5% 出典:Sophos社
Datemakeは,“ダイヤラ”に分類される不正プログラム(マルウエア)。Sophos社上級製品マーケティング・マネージャのChris Belthoff氏によると,「感染したパソコンは,アダルト・サイトなど高額な料金の発生する電話番号にダイヤル・アップさせられてしまう」という。「企業では,膨大な電話料金を払い続ける羽目に陥らないようにするため,厳格なコンピュータ利用ガイドラインを適用すべきだ」(同氏)
なおSophos社は,2003年4月に新種のウイルス/ワーム/トロイの木馬を475種類検出した。現在,同社製品が防御できるウイルスは8万1437種という。
また同社は,2003年4月における偽情報のワースト10も発表した。
■2003年4月の偽情報ワースト10 順位 名称 全体に 対する割合 1 WTC Survivor 18.1% 2 JDBGMGR 15.4% 3 Hotmail hoax 8.1% 4 Meninas da Playboy 7.6% 5 A virtual card for you 5.4% 6 Budweiser frogs screensaver 5.2% 7 Bonsai kitten 3.8% 8 A Vida e Bela 2.7% 9 BUDDYLYST.ZIP 1.9% 10 Poison perfume 1.7% その他 30.2% 出典:Sophos社
「存在しないウイルスに言及したチェーン・メール『WTC Survivor』には,いまだに多くのユーザーがだまされている。最近ではアラブ首長国連邦のある新聞社が引っかかって警告記事を出してしまった。この種の偽情報を受け取ったら,簡単に信じてはいけない。“みんなに知らせてやろう”と警告を転送するのではなく,ネットワーク管理者に助言を求めるべきだ」(Belthoff氏)
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