カナダNortel Networksは,2003年第1四半期決算を現地時間4月24日に発表した。売上高は24億ドルで,前年同期の29億1000万ドルから減収。前期比では約5%減となった。一時的な費用を含めたGAAP(会計原則)ベースの純利益は5400万ドル(1株当たり利益は1セント)で,前年同期の純損失8億4100万ドル(1株当たり損失は26セント)から黒字転換を果たした。

 純利益には,非継続事業売却による純利益1億9000万ドル(税引き後),リストラ関連の特別費用1億3400万ドル,購入技術および買収に伴う繰延株式報酬の償却費用3600万ドル(税引き後)が含まれる。

 粗利率は42.9%で,前期の39.3%から増加した。同社はその理由として,リストラ策,Wireless Networks事業の高い粗利率,Optical Networksの業績改善を挙げている。

 当期の売上高を事業部門別にみると,Wireless Networks事業が前年同期比16%減,Enterprise Networks事業が同9%減,Wireline Networks事業が同18%減,Optical Networks事業が同33%減となった。各事業とも,すべての地域において売上高が減少した。

 売上高を地域別にみると,米国が前年同期比14%減,カナダが同41%減,EMEA(欧州/中東/アフリカ)は同11%減,これ以外の地域では同25%減となった。

 Nortel Networks社CFOのDoug Beatty氏は,「第1四半期は現金管理に注力し,現金残高として40億ドル計上できて非常に満足している」と述べた。

 また,同社は今後の見通しについて次のように予測している。「2003年の電気通信機器業界は,前年と比べやや後退する。顧客は経済と政治状況が不穏なため,支出に慎重になるだろう。その結果,第2四半期の資本支出は第1四半期とほぼ同程度になる見通しだ」(同社)

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