第3世代(3G)携帯電話の推進団体Third Generation Partnership Project 2(3GPP2)は,フィンランドのNokiaが提案していた「Variable-Rate Multi-Mode Wideband(VMR-WB)」音声コーデックをCDMA2000向け標準仕様として採択した。Nokia社が米国時間4月24日に明らかにしたもの。

 VMR-WBは,現行の音声コーデック並みのデータ・レートでより高音質を実現する音声コーデック技術。CDMA2000のRate Set IIと完全互換であることに加え,Third Generation Partnership Project(3GPP)がGSM/WCDMAネットワーク用に採用したAMR-WB標準との相互接続性も備えている。

 「VMR-WB技術によって実現できるCDMA2000およびWCDMAネットワーク間の相互接続性により,世界中のユーザーは使っているネットワーク標準に関わらず,高機能音声サービスを利用できるようになる」(Nokia社)

 Nokia社によれば,VMR-WBコーデックは通信回線のエラー発生や騒音が激しい環境でも高音質を保証するよう設計してあるため,さまざまな状況下で使える多彩なアプリケーションの提供が可能という。

 「同コーデックを導入することによって,携帯電話機間のVoIP,携帯/固定電話機ネットワークによる電話会議,1対1または多対1の業務アプリケーション,マルチメディア・ストリーミング,ビデオ会議などのアプリケーションは,これまでより使いやすくなるだろう」(同社)

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