米Microsoftは米国時間4月24日,サーバーOS「Windows Server 2003」の一般向けリリースを発表した。「情報技術を効率化し,ユーザーの生産性を高め,優れたアプリケーションの構築を可能にする」(Microsoft社)としている。

 Microsoft社によると,Windows Server 2003を早期導入した顧客企業では,Windows NT 4.0と比べてITインフラの効率が最大30%向上しているという。

 Windows Server 2003は,データ・センター・サーバー,アプリケーション・サーバー,Webサーバー,ファイルおよびプリント・サーバー,データベース・サーバー,ディレクトリ・サービスといった主要サーバーでの利用を視野に入れる。可用性向上のための各種機能を装備する。例えば,トラブルが指摘されているドライバのインストールを防止し,ユーザーにアップデート・バージョンを入手するよう指示する「Windows Driver Protection」や,欠陥のあるドライバによるエラー発生から迅速に復帰する「Driver Rollback」などだ。

 また,Windows Server 2003は新たなセキュリティ設計プラクティスに基づいているという。「Internet Information Services(IIS)6.0」を再設計し,アプリケーションやWebサービスを動作させるワーカー・プロセスを,低い権限のユーザー・アカウントを使って実行するようにした。初期設定では,IIS 6.0を含む20以上のサービスをオフにし,Internet Explorerのセキュリティ機能を「High」にする。これにより,「アクセス権の低いユーザーが操作できる範囲を制限し,IT管理者は安全性の高い設定を管理できる」(Microsoft社)

 Windows Server 2003は,以下のバージョンを用意する。

・「Windows Server 2003 Datacenter Edition」(32ビット版と64ビット版)
・「Windows Server 2003 Enterprise Edition」(32ビット版と64ビット版)
・「Windows Server 2003 Standard Edition」
・「Windows Server 2003 Web Edition」
・「Windows Small Business Server 2003」

 Windows Server 2003は,リリース開始時点で13カ国語に対応する。今後30~45日間に,対応言語を拡大する予定である。なお,Windows Small Business Server 2003のみ,2003年第3四半期の出荷となる。

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,Microsoft社はWindows Server 2003のプロモーションに2億5000万ドルを投じる計画である。

 またMicrosoft社は,Windows Server 2003のリリースに合わせて,「Visual Studio .NET 2003」と64ビットの「SQL Server 2000 Enterprise Edition」も同日発表した。「これら3製品で相互運用性のある統合的なインフラを提供し,性能,拡張性,信頼性を確保するとともに,予算に制限のあるIT部門の要求に応える」(Microsoft社)

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