コンテンツ保護技術の米Macrovisionは米国時間4月23日,著作権保護技術を備える音楽CDの作成に関して,米Microsoftと協力体制を敷くことを発表した。Macrovision社のコピー防止技術「CDS」と,Microsoft社のデジタル著作権管理(DRM)ソフトウエア「Windows Media Data Session Toolkit」を組み合わせる。「コンテンツ所有者は著作権を管理でき,ユーザーはステレオとパソコンの両方で音楽を再生できる」(Macrovision社)

 両社の技術を利用することで,レコード制作会社は1枚のCDに2つのオーディオ・ファイルを個別に作ることが可能になる。 具体的には,家庭のCDプレーヤやステレオで再生できるRed Book(正規の音楽CD規格)準拠の“ファースト・セッション”ファイルと,パソコンやポータブル機器で再生できる“セカンド・セッション”ファイルである。

 Macrovision社のCDS技術が,ファースト・セッションのコピーを防止し,CDがオリジナルであるかを認証する。CDがオリジナルでない場合,セカンド・セッションをポータブル機器で再生,保存することはできない。

 Windows Media Data Session Toolkitは,デジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media 9 Series」に対応したCD/DVDコンテンツ作成ツール・キット。Microsoft社のDRM技術に対応したパソコンやポータブル機器でセカンド・セッションの再生を可能にする。

 今回の提携により,「レコード会社は,コピー防止,CDの認証,デジタル著作権管理を一括して自ら行えるようになる」(Macrovision社)

 「デジタル・コンテンツの所有者は,ユーザーに素晴らしい音楽を提供する一方で,違法なコピーを防止する必要がある。Macrovision社の技術とWindows Media Data Session Toolkitによって,その両方が実現する」(Microsoft社 Windows Digital Media部門担当ジェネラル・マネージャの Dave Fester氏)

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