米AMDが64ビット・プロセサ「Opteron」を発表した米国時間4月22日,業界各社が同プロセサのサポートを表明した。

 Opteronはサーバー/ワークステーション向けのプロセサで,x86命令セット・アーキテクチャ(ISA)を64ビットに拡張した「AMD64」と呼ばれるアーキテクチャを採用する。業界標準であるx86 ISAベースのアプリケーションを実行できるので,x86アーキテクチャと互換のある64ビット環境を構築できるという。

 企業向けLinuxの統一を目指す団体UnitedLinuxは,「UnitedLinux Version 1.0」をOpteronに対応させる。

 UnitedLinuxは,米SCO Group,ブラジルのConectiva,ドイツのSuSE Linux AG,ターボリナックスが企業におけるLinux普及を目指して結成した共同事業。UnitedLinux Version 1.0をベースにした製品には,Conectiva社の「Conectiva Linux Enterprise Edition」,SCO社の「SCO Linux Server 4.0」,SuSE社の「SuSE Linux Enterprise Server 8」,ターボリナックスの「Turbolinux Enterprise Server 8」が含まれる。UnitedLinux Version 1.0は,英語,日本語,簡体字中国語,韓国語,ポルトガル語,スペイン語,イタリア語,ドイツ語,フランス語,ハンガリー語に対応する。

 米Computer Associates International(CA)は,企業向けリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)「Advantage Ingres」のOpteron対応を明らかにした。Opteronを搭載したLinuxシステムで稼働するAdvantage Ingresは,大量の実装メモリを直接利用して,膨大なデータベースのキャッシングを行うことが可能という。「LinuxとAdvantage Ingres,Opteronの組み合わせで,企業のデータ・センターに最高の価値を提供する」(CA社)

 米Broadcomは,ギガビットEthernetコントローラ「NetXtreme BCM570x」ファミリに新たな64ビット・ドライバを追加し,Opteronに対応させる。「Opteronを搭載したサーバーやワークステーションのデータ・スループットとCPU性能を向上し,優れた電力消費効率を提供する」(Broadcom社)としている。

 米NVIDIAは,Opteronに最適化したプロ向けのグラフィックスLSI「NVIDIA nForce3 Professional」を発表した。現在,同グラフィックスLSIを搭載したマザーボードをサンプル出荷している。

 またカナダのATI Technologiesは,WindowsとLiux搭載サーバー/ワークステーション用ドライバにOpteronサポート機能を組み込む。

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