米META Groupは,ビジネス上のコミュニケーションについての調査結果を米国時間4月22日に発表した。それによると,調査対象となったビジネスマンの80%が「仕事上のコミュニケーション手段として,電話よりも電子メールの方が価値が高い」と考えている。

 同調査によると,回答者の74%は,電話よりも電子メールが使えない方が困難だと考えていることが分かった。電話よりも電子メールを好む3つの主な理由としては,電子メールは複数人でコミュニケーションができる,より速いコミュニケーションが可能,対話内容が文面で記録される,が挙げられた。

 「明らかに,電子メールは地理的に分散されたワークグループ,モバイル性,迅速な情報配布の必要性,再利用可能なビジネス記録へのニーズなどによって特徴付けられるビジネス環境の変化にもっとも適している」(同社上級副社長のMatt Cain氏)

 しかし,電子メールによる通信は,電話では直面することがなかった問題を抱えている。たとえば,ユーザーは,増加するメッセージと格闘しており,受信ボックスを管理するために1日に数時間を費やしている場合がある。その他にも,電子メール・システムでは,スパム,有害コンテンツ,ウイルスの流布,システム故障,悪意のある攻撃やメール爆弾といった問題に直面する。

 また,電子メールによる通信を記録として保存したいという回答者の望みは,社内情報の漏えいを懸念して直ちにメッセージの破棄を勧める企業の法的指導と衝突する。そのため,同社は,企業がこの問題に対処するために包括的な記録管理プログラムを実装する必要があるとしている。

 調査では,電子メールに関する間接的な短所として,非人間的であり音声による手がかりや文脈が欠如するために誤解を生む傾向があることを挙げている。

 調査によって明らかになったその他の通信に関わる変化は次の通り。

・FAXによるドキュメント送信が,電子メールやその他の通信オプションに急速に変わっている。FAXの送信ページ数は,過去5年間で50%減少した。

・VoIPは,特定の状況において従来の電話インフラと置き換えられる信頼できる選択肢として見なされるようになった。

・インスタント・メッセージングの普及が急速に進んでいる。Global 2000企業の知識労働者の90%が2007年までにサービスを利用するようになると予測される。

・モバイル通信オプションへのニーズが高く,全米35市場において成人の半数以上が携帯電話を所有している。

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