米Maxtorは,2003年第1四半期の決算を米国時間4月22日に発表した。売上高は9億3890万ドルで,会計原則(GAAP)ベースの純利益は2740万ドル(1株当たり利益は11セント)。一時的な費用を除いた場合の純利益は4820万ドル(同20セント)となる。

 同社は2002年第3四半期にNAS(network attached storage)事業から撤退しているため,それ以前の業績を継続事業と非継続事業に分けて再算出した。継続事業による2002年第1四半期の売上高は10億3600万ドル,GAAPベースの純損失は5540万ドル(1株当たり損失は23セント),一時的な費用を除いた場合の純損失は2990万ドル(同12セント)だった。

 Maxtor社社長兼CEOのPaul Tufano氏は,「当期の事業内容と結果に満足している。粗利率は前期の16.2%から18.3%に上昇した」と述べた。「当期は引き続き,80Gバイトの高記録密度製品に取り組んだ。PVR,DVR,セットトップ・ボックスなどの民生電子機器向けのハード・ディスク装置(HDD)出荷台数は,前期と比べて増加した。1プラッタ当たり36Gバイトの容量を持つ『Atlas 10K IV』が量産出荷体制に入った」(同氏)

 また同社は,中国蘇州で80万平方フィートの製造工場建設に着手している。Tufano氏は「蘇州工場によりコスト削減を図り,今後10年間におけるHDD事業の成長目標を達成できるようにする」と語った。

◎関連記事
米マクストアがNAS事業から撤退,「期待したほど市場が伸びなかった」
NAS(ネットワーク接続型ストレージ)市場---大手メーカーの新規参入相次ぐ,価格競争がますます激化
米IBMと日立の合弁HDD会社が始動。4Gバイト「Microdrive」など新製品を発表
米ウエスタン・デジタルが200GバイトのIEEE1394接続の外付けHDDを発表
米リード-ライトが面記録密度を130Gビットを達成,3.5インチ1枚では170Gバイト
「大容量データが保存可能な民生電子機器が人気,HDD業界の二次市場として拡大」,と米調査
変わるストレージ市場,家電など新分野向け比率が2006年には20%
「HDD業界はパソコンから民生用電子機器市場に軸足を移す」,米In-Statの調査

[発表資料へ]