米IDCは世界のロジスティックスBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)市場について調査した結果を,米国時間4月21日に発表した。それによると,2002年に1558億ドル規模だった同市場は年平均12%で拡大し,2007年には2765億ドル規模に達するという。

 ロジスティックスBPOサービスは,企業が過去10年以上,ロジスティックス・プロセスを積極的にアウトソーシングしてきたため,比較的成熟した市場だ。しかし過去数年間で事業のグローバル化や技術革新が進んだことに加え,財政難に対処しようとする企業が増えていることから,さらに需要が生まれる見通しだ。

 またロジスティックスBPO市場は,供給と需要の両方に向けたプロセスを含むまでに拡大した。企業は現在,サプライヤ管理や購入など供給側を主体としたビジネス・プロセスの他にも,顧客サポートやアフター・サービスといったユーザー対象のビジネス・プロセスもアウトソーシングするようになっている。

 IDC,Supply Chain and Logistics Services調査担当マネージャのRomala Ravi氏は,「ロジスティックスBPO市場の成長を後押ししている要素を一語で現すなら“複雑化”である。社内業務の複雑化が,ロジスティックス・プロセスのアウトソーシングを増やしている。一方で,より包括的な統合サービスに対する需要が,BPOサービスそのものを複雑化している」と説明した。

 さまざまな課題と事業機会が入り交じる同市場でベンダーが成功するには,ロジスティックスやサプライ・チェーンの異種プロセス統合を簡易化するソリューションの提供がカギとなる。「ベンダーはさまざまなソリューションを手広く提供するより,得意分野に注力する方が賢明だ」(Ravi氏)

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