米AMDは,2003年第1四半期の決算を米国時間4月16日に発表した。売上高は7億1500万ドルで,前年同期の9億200万ドルに比べ21%減,前期の6億8600万ドルに比べ4%増となった。

 純損失は1億4600万ドル(1株当たり損失0.42ドル)で,前期の純損失8億5500万ドル(1株当たり損失2.49ドル)から赤字額を縮小した。前年同期の純損失は900万ドル(1株当たり損失0.03ドル)だった。

 「計画通り,前期に比べ大幅に営業費用を削減した。売上高増加とコスト構造改善の結果,当期の利子,税金,減価償却費控除前利益(EBITDA)は8400万ドルとなり,一時的な費用を除いた場合の営業損失を9000万ドル以上改善できた」(AMD社CFOのRobert J. Rivet氏)

 パソコン向けプロセサの売上高は4億6800万ドルで,前期の4億2000万ドルに比べ11%増加した。「ノート・パソコン向けプロセサの出荷量が過去最高になったことと,中国を筆頭に拡大中の市場における普及が要因となって,出荷個数/売上高のいずれも大きく伸びた」(同社)

 メモリー製品の売上高は2億1800万ドルとなり,これで4四半期連続して増加を続けている。なお同社は,フラッシュ・メモリーの専業メーカーを富士通と共同設立することを2003年3月に明らかにしている。

 全体的な業績について,Robert J. Rivet氏は「厳しい市場の状況と(当期は)季節的に低迷する四半期であったが,売上高を前期比で4%増やせた」と述べる。「パソコン向けプロセサとフラッシュ・メモリーの両製品系列で,当社は市場シェアを拡大できたとみている。また,事業の状況を改善したことで,利益体質に戻るよい位置につけた」(同氏)

 同社は今後の状況についても明らかにした。その主な内容は以下の通り。

・無線市場で市場シェアの拡大が続く。フラッシュ・メモリー製品の売上高が5四半期連続で増加する。

・パソコン向けプロセサの売上高は横ばいとなる。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,金融情報サービスのFirst CallはAMD社の同期の業績を売上高6億8300万ドル/1株当たり損失0.48ドルと事前予測していたが,実際はそれより良い結果になったという。

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