米IDCは,世界ITサービス市場の今後の展望に関する調査結果を米国時間4月14日,発表した。それによると,同市場は今後5年間に年平均6.7%で成長し,2007年には4898億ドル規模に達するという。

 短期的には,経済状況や世界情勢が影を落とし,2003年における同市場の成長率は4%にとどまる見通し。しかも,前半はほとんど成長が期待できない。

 IDC,Worldwide Servicesプログラム担当マネージャのNed May氏によると,「長引く景気減退によって,ITサービス市場の構造が劇的に変化している」という。その結果,「多くのベンダーは変化する需要に対応するために,自社サービスや対象市場の見直しを迫られている」(同氏)。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・米大陸(北米と中南米),西欧,日本での不況が,世界ITサービス市場に悪影響を及ぼしている。

・企業は,重要なIT業務を外注する傾向が高まっており,さまざまなサービスのアウトソーシングが市場の原動力となっている。

・企業が大規模なIT投資を行うのは,ROI(投資回収)を明確に定義し,納得できる場合に限られる。

・ITサービス市場には,市場の成長をけん引する魅力的な新技術が欠如している。このためITサービスの大半は,既存資産の最適化や,IT環境の運用コスト削減に重点を置いている。

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