米Gartnerは米国時間4月15日,ストレージ管理ソフトウエアの世界市場について調査した結果を発表した。それによると,2002年は新規ライセンスによる売上高が前年比6%減の47億ドルとなり,初のマイナス成長を記録した。
ベンダー別にみると,米EMCが市場シェア25.6%を獲得して首位を維持。米Veritas Softwareが市場シェア18.6%で2位につけた。
ちなみに,15億ドルを創出したディスク・アレイとスイッチ用ソフトウエアを除外した場合,ベンダーの順位は1位がVeritas社,2位が米IBM,3位がEMC社となる。
「上位10ベンダーのうち,売上高が増えたのはわずか3社だけである。そのうち,ストレージ・アレイ・ソフトウエアを販売する日立製作所とその米国法人Hitachi Data Systems(HDS)は,前年と比べ77%も成長した」(Gartner社Storageグループ担当副社長のCarolyn DiCenzo氏)
■上位ベンダー10社の新規ライセンスによる売上高(単位:100万ドル) 2002年 2002年 2001年 2001年 成長率 ベンダー 売上高 市場シェア 売上高 市場シェア (%) --------------------------------------------------------------------------- EMC 1,205.1 25.6 1,496.1 30.0 -19.5 Veritas 874.1 18.6 977.3 19.6 -10.6 IBM 592.6 12.6 639.8 12.8 -7.4 Hewlett-Packard 264.0 5.6 268.6 5.4 -1.7 Computer Associates 235.3 5.0 202.9 4.1 16.0 Hitachi/HDS 209.7 4.5 118.5 2.4 77.0 Legato 135.5 2.9 180.9 3.6 -25.1 BMC Software 121.7 2.6 161.3 3.2 -24.6 Network Appliance 107.1 2.3 89.4 1.8 19.8 StorageTek 106.0 2.3 120.1 2.4 -11.7 その他 847.4 18.0 734.7 14.7 15.3 合計 4,698.5 100.0 4,989.6 100.0 -5.8 --------------------------------------------------------------------------- 出典:Gartner社のDataquest(2003年4月)
DiCenzo氏は市場の縮小について,「景気後退が企業のIT予算を圧迫していることから,ベンダーは価格の引き下げを余儀なくされていた。その悪影響が今になって現れ始めたようだ」,と説明した。「インフラ/データ管理用ソフトウエアは,サーバーやディスク・アレイの売上高が伸びない限り,低迷が続くだろう。一方,デバイスやストレージのリソース管理ツールは,今後も成長が期待できる」(同氏)
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