米IntelはPentium 4とXeonプロセサを搭載したシステムのバグを検知するソフトウエア「Intel Thread Checker 1.0」を米国時間4月8日,発表した。「当社の『Hyper-Threading Technology』を利用するシステムに潜むバグを,容易に検知できる」(Intel社)としている。

 Intel Thread Checkerは,プログラムの実行を監視するエラー検出エンジンを利用して,エラーの原因となっているスレッドのバグを「数時間で正確に検知する」(Intel社)。従来の方法では,開発者がソース・コードのどこにバグがあるのか見当をつける必要があったため,バグ検出に数週間かかる場合もあった。

 検出した問題は「エラー」や「警告」などに分類する。また,問題のあるソース・コードの行や変数の表示,スタック情報の呼び出しも行える。

 「当社プロセサの最新機能をフル活用できるようにすることが狙いだ。Intel Thread Checkerを使ったテストでは,開発者が見つけることができなかったバグはもちろん,開発者がその存在さえ気づいていなかったバグも検知できた」(Intel社Software Products部門担当ジェネラル・マネージャのJonathan Khazam氏)

 Intel Thread Checker 1.0は,Intel社のWebサイトからダウンロード可能。また2003年第2四半期より,販売代理店を通じて入手可能となる予定。1ユーザー当たりのライセンス料は1198ドル。ソフトウエアのパフォーマンス・データを収集する「Intel VTune Performance Analyzer」が付属。「Windows XP Professional」と「Windows 2000」に対応する。

◎関連記事
インテル,一つのCPUを論理的に2個のCPUとして実行する高速化技術「Hyper Threading」を実機でデモ
米インテルが「HT Technology」対応C++/Fortranコンパイラを発表。「アプリケーションを自動的に複数スレッド化」 
「デスクトップ向けプロセサ市場,2003年まで米インテルの独走が続く」,と米調査
「ソフトウエアのバグによる損失額は年間推定595億ドル」,米国商務省の調査
ソフトのライセンス形態がバグを呼ぶ!?
Windows XP SP1が極端に遅くなるバグ
「ソフト品質を高めるために,技術者は定義力と検証力を持て」
ソフト品質を“数値”で客観評価 

[発表資料へ]