米IBMは,中小企業向けのストレージ・サーバー「TotalStorage FAStT600」を米国時間4月8日発表した。「米EMCの競合製品と比べて,拡張性に優れ,価格は安い」(IBM社)

 「コストと使い勝手は,中小企業にとって最も重要だ。IBM社はネットワーク・ストレージ環境に必要な高性能技術を,中小企業の条件に合った価格で提供する」(IBM社Systems Group部門ストレージ・ネットワーキング担当バイス・プレジデントのRoland Hagan氏)

 TotalStorage FAStT600は,現行製品の「FAStT200」と比べて,最大3倍のI/O処理能力を実現するという。主な特徴は以下の通り。

・最大6テラ・バイトまで拡張可能。2GbpsのFibre Channelインタフェースを採用。

・AIX,HP-UX,SolarisなどのUNIX系OSのほか,LinuxとWindowsに対応する。

・システムを停止することなく必要に応じてストレージ容量を追加する「Dynamic Capacity Addition」機能,トラブル発生をIBM社に自動通知する「FAStT Service Alert」機能などを備える。

 TotalStorage FAStT600は2003年4月15日に一般向け出荷を開始する。価格は1万4995ドルから。

 またIBM社は,ストレージ・リソース管理ソフトウエアの中小企業向けバージョン「Tivoli Storage Resource Manager(SRM)Express Edition」のリリースについても明らかにした。2003年4月25日に利用可能にする。価格はデスクトップ・パソコン1台あたり65ドル。Expressは中小企業に特化した製品であることを示すブランド名称。同社はTivoli SRM Express Editionと同時に,「DB2 Express」「Lotus Domino Utility Server Express」「Lotus Domino Collaboration Bundle Express」を2月18日に発表している。

 ちなみに業界の調査によると,今後数年間に世界の中小企業が費やすIT支出は約1500億ドルに達するという。

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