米Intelと台湾のVIA Technologiesが繰り広げていた,チップセットとマイクロプロセサに関する一連の係争に終止符が打たれる。両社が米国時間4月7日,和解に達したことを明らかにした。

 今回の和解により,27件の特許を対象に5カ国で係争中だった11の訴訟が終結する。

 一連の争いは,2001年9月にIntel社がVIA社を特許侵害で提訴したことから始まった。VIA社のチップセット「P4X266」と「P4M266」がIntel社の5件の特許を侵害しているとして,米国デラウェア州の連邦地裁に提訴。これに対しVIA社は,Intel社のマイクロプロセサ「Pentium 4」や同プロセサ向けPC133 SDRAM対応「845」チップセットが,VIA社と子会社のもつ特許を侵害したとして米国や台湾の裁判所に逆提訴し,同時にIntel社に対して刑事訴訟を起こした。その他にも,Intel社を特許侵害でテキサス州連邦地裁に提訴している。

 その後Intel社は,VIA社の「C3」マイクロプロセサとP4X266チップセットがIntel社の8件の特許を侵害しているとして,訴訟をドイツ,英国,中国(香港)に拡大。両社の係争は泥沼化を呈していた。

 両社は今回の和解のもと,すべての訴訟を取り下げ,10年間のクロス・ラインセンス契約を結ぶ。その一環として,Intel社はVIA社に,x86命令セット互換のマイクロプロセサを販売する権利を与える。ただし,Intel社製マイクロプロセサとピン互換あるいはバス互換のものは認めない。しかし3年間に限り,VIA社のバス互換およびピン互換のマイクロプロセサに関して,特許権を主張しないことで合意している。

 またIntel社は,VIA社がIntel社製マイクロプロセサとバス互換のチップ・セットを設計・販売してよいとする4年間のライセンスを与える。さらにその後1年間は,VIA社およびその顧客と販売事業者に対し,これらチップ・セットについて特許権を主張しない。

 なお,これらのラインセンス契約の対象には,VIA社が一部株式を所有するS3 Graphics社の製品は含まれない。

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