米Sun Microsystemsが米国時間4月7日に,企業向けのコラボレーション・プラットフォーム「Sun ONE Collaborative Business Platform」を発表した。同プラットフォームでは,電子メールやスケジュール管理などの機能のほか,インスタント・メッセージング(IM)ソフトウエア「Sun ONE Instant Messaging 6.0」や,Sun社と「iForce」パートナによるコンサルティング・サービスなども提供する。

 Sun ONE Collaborative Business Platformは,企業が安全に共同作業や通信を行うためのプラットフォーム。電子メール,スケジュール管理,IM,情報検索,統合メッセージング,コンテンツ/ナレッジ共有,ポータルなどのサービスが利用できる。Sun社では,「より強力で効果的な関係を作り,従業員,パートナ,顧客,学生,教師,市民といった多種多様なユーザー・グループにおいて生産性/効率/満足度を向上させる」としている。

 各サービスはユーザーを特定可能なポータル経由で利用することから,ユーザー管理作業を簡素化でき,別々のアクセス・ポリシーの適用や複数サービス間のシングル・サインオンなどが可能となる。「安全なリモート接続や無線アクセス機能により,ユーザーはいつでもどこでも,任意の機器を使って,同僚や顧客,データにアクセスできる」(同社)

 特にIMソフトウエアのSun ONE Instant Messaging 6.0には,旧版の機能に加え,メッセージ記録の保管/検索機能,「Sun ONE Calendar Server」に設定したスケジュールや締め切りのポップアップ通知機能,ウイルス/スパムに対抗するコンテンツ・フィルタリング機能など,新機能を導入している。

 「同IMソフトウエアは通信を暗号化するので,企業の情報資産を安全に守れる。さらに,サードパーティ製のウイルス/スパム対策ソフトウエアを組み込むことができ,こうした脅威に関わる問題を解決する」(同社)

 なおSun ONE Instant Messagingは,NTTデータがリアルタイム配信プラットフォームとして採用し,同社のクライアント・ソフトウエア「Air Messenger」,通信プロトコル変換ゲートウエイ「AirBridge」,フォーム作成ツール「Air Bot」と組み合わせたモバイルIMソリューションの提供を行っている。これにより同社は,携帯電話機などモバイル端末向けの“プッシュ形式”情報配信サービスの展開が可能となった。

 Sun ONE Collaborative Business Platformは,「Sun ONE Messaging Server」,Sun ONE Calendar Server,Sun ONE Instant Messaging,「Sun ONE Portal Server」,Sun ONE Identity Serverを含むソリューションとして,直ちに利用可能とする。またSun ONE Instant Messaging 6.0は,2003年5月に提供を始める予定。

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[発表資料(Sun ONE Collaborative Business Platform)]
[発表資料(Sun ONE Instant Messaging 6.0)]