比較ショッピング・サイトの米BizRate.comは,2003年第1四半期のオンライン売上高について調査した結果を米国時間4月1日,発表した。それによると,第1四半期のオンライン売上高は128億4000万ドルで,前年同期の100億8000万ドルと比べて27%成長した。
月別にみると,1月は前年同月比31%増,2月は同32%増,3月は同20%増加した。3月はイラク戦争の影響を受けた。
1月1~5日は,ホリデー・シーズン後のセールで7億3860万ドルの売上高を達成した。前年同期間と比べ40%の急増である。
イラク攻撃直前の2日間は売上高が減少した。3月17日が前年同日と比べ14%減,18日は8%減。しかし,イラク攻撃が始まった3月20~26日の週は,前年の同期間より19%増加した。
「オンライン・ショッピングの人気は,戦時も平時も衰えることがない。また,米国によるイラク攻撃は事前に計画されていたという点で,2001年の同時多発テロとは異なる。同時多発テロの際は,前日と比べ売上高が37%も落ち込んだ」と,BizRate.com社社長兼CEOのChuck Davis氏は説明した。「景気がなかなか回復しないため,消費者はインターネットを利用して少しでも予算を有効活用しようとしている」(同氏)
第1四半期のオンライン売上高は,注文1件当たりの支出額より,注文件数の伸びによって増加した。第1四半期における注文1件当たりの平均支出額は124ドルで,前年同期比2%減となった。一方,注文件数は前年比30%増の1億360万件だった。
■オンライン注文件数と平均支出額の比較 2002年Q1 2003年Q1 前年比 オンライン売上高(10億ドル) 10.08 12.84 27% オンライン注文件数(100万件) 79.4 103.6 30% 注文1件当たりの平均支出額 127 124 (2%) 出典:BizRate.com社
■月別オンライン売上高の比較 2003年1月 2003年2月 2003年3月 2003年Q1 オンライン売上高(10億ドル) 4.55 4.14 4.15 12.84 前年比 31% 32% 20% 27% 出典:BizRate.com社
第1四半期の売上高をカテゴリ別でみると,1位がコンピュータ・ハードウエア(34億3000万ドル),2位が電子機器(21億6000万ドル),3位が娯楽用品(18億8000万ドル)である。また,急速に成長したカテゴリは,健康/美容用品(前年同期比61%増),娯楽用品(同58%増),コンピュータ・ハードウエア(同41%増)だった。
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