米Adobe Systemsは,DVDオーサリング・ソフト「Adobe Encore DVD」を,米国時間3月31日に発表した。プロのDVD製作者やビデオ・アーティストなどに向ける。インタラクティブ・メニューや多数のオーディオ・トラックを備えた複数言語対応のDVDを効率的に製作できるという。
「オーサリング・プロセスに必要な『Photoshop』『Premiere』『After Effects』などと統合したことで,高度なDVDオーサリング環境が実現した。ユーザーはDVD製作を新たな次元に引き上げることができる」(Adobe社Digital Imaging and Video Products部門担当上級副社長のBryan Lamkin氏)
Adobe Encore DVDは,包括的なデザイン・ツールとメニュー・エディタを提供する。Photoshopとの緊密に連携をとることで,DVD製作者はメニューの背景に使用されることが多いPhotoshopの画像ファイルを圧縮したり,メニューの編集などが行える。
動画や静止画像を統合したボタンやメニューをあらかじめ設定しているほか,作成したボタンや背景デザインを保存できる機能を備える。また,Premiereのマーカーを認識し,自動的にチャプタを作成したり,After EffectsのAVIファイルの取り込みも可能。
Adobe社製品に共通のプロジェクト・タイムラインを備え,ユーザーはビデオに最大8つのオーディオ・トラック,32の字幕を組み合わせることができる。また,DVD-R/RW,DVD+R/RW,DVD-RAMなど,録画可能なDVD形式をすべてサポートする。
Adobe Encore DVDのWindows XP版は,2003年第3四半期に米国で出荷する予定。価格は549ドル。なお Adobe社は4月7日よりラスベガスで開催されるNAB(全米放送事業者連盟)で同製品を披露する予定。
◎関連記事
■米Adobeのビデオ編集ソフトが「Windows Media」の次期バージョンをサポート
■次世代Windows「Longhorn」にDVDオーサリング・ソフトがつく
■米SonicがDVDオーディオのオーサリング・システムを発表
■SonicがDVDレコーダの製造業者に向け「AuthorScript CE」を発表,セットトップDVDレコーダをDVD作成技術で強化
■「ついにビデオ・テープを抜く」,2001年におけるDVDソフトの売上高は前年比2.4倍以上の46億ドル
■「2002年のDVD/VHSの購入とレンタルの売上高は203億ドル,400万世帯を超える米国の家庭がDVDプレイヤを所有」,DEGが調査結果を発表
■北米のDVDソフト出荷本数は前年の2倍以上で過去最高を記録,米国のDVDハードウエアも順調に推移
■「2003年DVDレコーダの売上高は10億ドル,2年後にはDVDプレーヤの売上高を抜く」と米調査
[発表資料へ]