米Microsoftが米国時間3月31日,「Windows XP」向けセキュリティ機能の無償配布を発表した。無線LAN用セキュリティ方式「Wi-Fi Protected Access(WPA)」をサポートする。

 WPAは,無線LAN製品の相互接続性を確認する業界団体Wi-Fi Alliance(旧組織名はWECA)が2002年10月に発表したもので,WEP(Wired Equivalent Privacy)暗号化技術より安全性が高いという。

 「多くのITマネージャは社内全体に無線接続を導入することにちゅうちょしている。なぜならセキュリティの懸念があるからだ。標準規格ベースのWPAにより,ユーザーはデータのセキュリティ保護に確信を持つことができる」(Microsoft社Windows Networking and Communications Technologies部門コーポレート・バイス・プレジデントのJawad Khaki氏)

 WPAは,データ暗号化とユーザー認証のセキュリティを向上する。データ暗号化においては,既存の暗号化技術の弱点を解明し,暗号化キーを自動的に生成して配布する手法を提供する。データの全ビットをユニークな暗号化キーで暗号化する。企業内のユーザー認証においては,ネットワークにつながっているすべてのユーザーの認証を行うと同時に,それらのユーザーを悪意のあるネットワークから保護する。

 WPAサポートを追加することで,Windows XPが装備しているWi-Fi機能を強化する。Windows XPには,Wi-Fiネットワークに手軽に接続するための自動設定機能などが含まれている。

 WPAは,802.11i仕様への対応も視野に入れている。802.11iは現在,米国電気電子学会(IEEE)の作業部会「Working Group for Wireless Local Area Networks」が策定にあたっている。「WPAサポートにより,Windows XPユーザーがセキュリティ強化という恩恵を受け,さらに802.11iが利用可能になった際にはスムーズに移行できるよう,Microsoft社はWi-Fi Allianceのさまざまなメンバーと協力している」(Microsoft社)

 WPAサポート機能を追加するWindows XPアップデートは,WWWサイトから無償でダウンロード可能。

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