英Analysysが英国時間3月26日,西欧のモバイル・サービス市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年におけるユーザー1人当たりの売上高(ARPU)は31ユーロ(約33ドル50セント)だった。加入者数が伸び悩む中,長いあいだ減少していたARPUが回復の兆しを見せているという。

 ちなみに2003年のモバイル・サービス加入者数は3億900万人で,前年比5%増にとどまる見通しである。

 2002年にARPUが回復した国は,フランス,ドイツ,スペイン,英国。イタリアは横ばいで,スウェーデンでは引き続き減少した。

 「モバイル事業者がARPUを改善している主な理由は,個人間メッセージング・サービスやモバイル・エンターテインメント・サービスといった音声以外のサービスによる収入の増加だ」(Analysys社のKatrina Bond氏)
 
 Analysys社の推計によると,2002年に欧州モバイル事業者は売上高全体のうち平均12%を非音声サービスから得た。

 モバイル・サービス収入のうち非音声サービスが占める割合は,2005年には24%,2008年には36%に達すると予測する。「現在のところ,個人間メッセージングがその多くを担っているが,ダウンロード型ゲームなどのモバイル・エンターテイメント・サービスの貢献度も高まるだろう」(Bond氏)

 個人間メッセージング・サービスの売上高は,2003年の130億ユーロ(約140億ドル)から2008年には200億ユーロ(約216億ドル)に増加する見込み。ショート・メッセージから大容量のマルチメディア・メッセージや電子メールにサービスが拡大するためだ。また,同期間のモバイル・エンターテイメント・サービス収入は,30億ユーロ(約32億ドル)未満から110億ユーロ(約119億ドル)近くに達するとみる。

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