ドイツのSAP AGが米国時間3月27日に,中小規模企業向けビジネス・ソフトウエア「SAP Business One」の米国版リリースを発表した。また,SAP Business Oneの販売サポート・サービスに関して,米American ExpressのTax and Business Services(TBS)部門と提携を結んだことを明らかにした。

 SAP Business Oneは,従業員数10人~数百人の企業を対象とする。インストールにかかる時間は「1週間程度」(SAP社)。中小企業が意思決定の際に必要な情報を即座に取得できるようにする。財務や営業管理の統合機能を提供し,業務プロセスと管理プロセスの合理化を支援する。

 SAP Business Oneには,輸送経路追跡,事業機会管理,戦略的販売,契約管理といった統合販売支援機能が含まれる。その他の特徴としては,複数の通貨に対応した財務管理や予算組み立て機能をはじめ,在庫管理システム,各種の価格リスト,レポート機能などがある。

 American Express社は今回の提携のもと,SAP Business Oneを米国で再販する。またSAP社と協力して,SAP Business Oneの特別バージョン「SAP Business One --The American Express Edition」を開発する。特別バージョンはAmerican Express社あるいは同社のチャネル・パートナを通じて独占的に販売する。ウエアハウス管理,出荷目録作成,各種管轄区域の課税計算,EDI,クレジット・カード認証,書類管理といった機能を備える。

 「我が社は中小企業支援に取り組んでおり,コンサルティングとITのプロフェッショナル150人を,米国の主要都市に配備している」(American Express社TBS部門CEO兼社長のTom Meador氏)。同社はビジネス・パートナの協力を仰ぎ,会計管理,マーケティング,販売,導入などのサポートも提供する予定だという。

 SAP Business Oneは米国のほか,すでに12カ国で販売しており,14カ国語に対応する。SAP社によると,世界中で1300社以上が利用しているという。

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