ドイツのSuSE Linuxは,米Intel製プロセサItaniumファミリに対応した「SuSE Linux Enterprise Server 8」の一般向けリリースを発表すると同時に,米国立科学財団(NSF:National Science Foundation)の科学系分散コンピューティング・システム「TeraGrid」向けにSuSE Linux Enterprise Server 8を供給することを米国時間3月26日,明らかにした。
TeraGridは,NSFが出資するDistributed Terascale Facility(DTF)プロジェクトで構築する。米国全土の数千人の科学者がコンピューティング・リソースを共有し,生命科学や気象モデリングなどの分野における新発見に取り組むための世界最速の研究ネットワークを提供する。DTFには,米スーパーコンピューティング・アプリケーション・センター(NCSA),サンディエゴ・スーパーコンピュータ・センター(SDSC),米アルゴンヌ米国立研究所,カリフォルニア工科大学の高度コンピューティング研究所(CACR)などが参加している。
SuSE社は米IBMのIBM Global Servicesと協力し,SuSE Linuxベースのサーバーからなるクラスタ・システムを,DTFが管轄する4カ所に納入する。サーバーには現行または将来版のItanium 2プロセサを搭載し,IBM社のソフトウエア「CSM」と「GPFS」をクラスタ管理とファイル管理に用いる。プロセサ間の通信には,米Myricomの高速接続技術「Myrinet」を使用する。
SuSE社によれば,納入するシステムの記憶容量は600Tバイト以上という。大部分のストレージ・インフラに,IBM社の「TotalStorage」製品と技術が使われる。
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