米Seagateと米Best Buyは,シリアルATAハード・ディスク装置(HDD)の小売り販売で提携を結んだことを米国時間3月24日,明らかにした。シリアルATAストレージ・インタフェースにネイティブ対応したSeagate社製HDDキットを,Best Buy社の店舗で販売する。「シリアルATA HDDを消費者向けに販売するのは両社が初めて」(両社)という。

 シリアルATAのデータ転送速度は150Mバイト/秒で,「Ultra ATA/100規格のHDDを最大50%上まわる」(両社)。ポイント・ツー・ポイント式の接続を採用しているため,バスを共有する必要がなく,各バスの帯域幅を1台の装置が占有できる。これにより,複数ドライブのシステムを高速に動作させることが可能。

 コネクタは40ピン式に代わり,装着や交換が簡単なソケット式を用いる。Cyclic Redundancy Check(CRC)方式の誤り検出機能で,データ,命令,ステータス情報を保護する。なお,シリアルATAはマスター/スレーブを装置のジャンパで設定する必要がない。

 Seagate社のシリアルATA HDDは,回転速度が7200rpm。流体軸受け(FDB)モーターを採用し,動作時の耐衝撃性は1000G以上。同社のHDDキットには,セットアップ用ソフトウエア「DiscWizard」,パソコンやドライブの問題を検出する診断ソフトウエア「SeaTools」,データ・ケーブルと電源ケーブルなどが含まれる。

◎関連記事
米シーゲートと米LSI LogicがSerial ATA HDDの開発で提携
米Seagate,Serial ATA対応のハード・ディスクを今秋出荷
米シーゲートが,交換用HDDキットを小売販売,「一般消費者が容易に交換できる初めてのキット」
「HDDも速くなる」,インタフェースの新規格「Serial ATA」が完成
「サーバー/ネットワーク・ストレージもシリアルでカバー」――業界団体がSerial ATA II仕様を公開
米インテル,米デル,米APIなどが,次世代Serial ATAの作業部会「Serial ATA II Working Group」を発足
米IBMと日立の合弁HDD会社が始動。4Gバイト「Microdrive」など新製品を発表
「大容量データが保存可能な民生電子機器が人気,HDD業界の二次市場として拡大」,と米調査

[発表資料へ]