米Hewlett-Packard(HP)が米国時間3月19日に,ソフトウエア開発キット「HP Mobile Printing Software Development Kit(SDK)」と「HP Biometric Security Toolkit」を発表した。前者はモバイル機器に印刷機能を,後者はバイオメトリクス認証機能を組みむためのツール。いずれも米Microsoftの「Visual Studio .NET 2003」および「.NET Compact Framework」に対応する。

 HP Mobile Printing SDKは,.NET Compact Frameworkベースのアプリケーションに印刷機能を付加することができる。「再利用可能なコンポーネントとウィザード機能を持ち,開発作業を簡素化する。優れたアプリケーションを迅速/簡単に導入するためのツールも備える」(HP社)

 同開発キットを使うと,同社のPocket PC機器からBluetoothや赤外線,IEEE 802.11を介して印刷を行うアプリケーションの作成が,容易に行えるという。さまざまなデータ形式に対応しており,Microsoft社のPowerPointやWord,米Adobe SystemsのAcrobatのデータも印刷できる。

 .NET Compact Frameworkは,Microsoft社のモバイル・アプリケーション向けフレームワーク。全Windowsプラットフォームに共通する一貫性のあるプログラミング・モデルを提供する。そのため開発者は,小型機器から大規模なデータ・センターまで対応可能なアプリケーションの構築に同一のプログラミング・モデルを使い,HP Mobile Printing SDKと組み合わせられる。

 一方HP Biometric Security Toolkitは,「HP iPAQ Pocket PC h5450」上の.NET Compact Frameworkベース・アプリケーションに,指紋によるバイオメトリクス機能を組み込める。なおh5450は,「2003年3月3日現在,無線LAN,Bluetooth,バイオメトリクス機能を備えた市場で唯一のPocket PC」(HP社)という。

 HP Mobile Printing SDKは,現在HP IPG Developers Programを通じベータ版の利用が可能。HP Biometric Security Toolkitは,2003年の春に利用可能とする予定。

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