米Keynote Systemsが米国時間3月20日に,米国の対イラク攻撃とインターネット・パフォーマンスの関連性について調査した結果を発表した。攻撃開始までの2日間,米国主要バックボーンのインターネット・パフォーマンスは通常通りだったが,一部のWWWサイトはダウンロード速度が著しく低下したという。

 調査では,主要バックボーンのほか,政府機関サイト,企業サイト,メディア・サイト,反戦サイトなどのパフォーマンス分析を実施した。

 主な調査結果は以下の通り。

米陸軍のホームページは,3月17日からパフォーマンスに深刻な問題が現れ始めた。WWWサーバーの容量が一因とみられる。通常は,高速接続の場合でWWWページのダウンロード時間が平均4秒のところを,19日は平均80秒以上もかかった。アベイラビリティ(WWWサイトにアクセスできる確率)も通常の93%から,70%以下に落ちた

米海兵隊のホームページもパフォーマンスが低下したが,これは米海兵隊のWWWサーバーとインターネット間の帯域幅が問題とみられる。通常は高速接続の場合でWWWページのダウンロード時間が平均4.5秒のところ,19日は30秒以上も要した

 米陸軍のホームページは日を追うごとにパフォーマンスが低下しているが,米海兵隊のホームページは18日をピークに,回復に向かっている。ちなみにピーク時のダウンロード時間は平均約50秒に達した。

 そのほか,米国防総省のホームページでは,3月19日の東海岸時間午前9時~午後2時に,WWWページのダウンロード時間が5秒かかった(通常は1秒)。米連邦危機管理庁のホームページは,3月18日にわずかにパフォーマンスが低下したが,19日には通常通りに戻った。

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