米META Groupが米国時間3月19日に,「景気の低迷が続き,IT企業の予算削減や人員整理が続いていることから,従業員の勤労意欲が大幅に低下している」などとする調査結果を発表した。

 IT管理職の71%以上が,「従業員の士気低下が深刻な問題になっている」と回答している。この状態が長引けば,生産性が低下したり,離職率の高い状態が長期間続くなど,企業の業績に悪影響を及ぼす可能性があるという。

 「IT管理職は予算に余裕が生まれるまで,社内で社員のスキル向上や残留を促すプログラムを実施して乗りきろうとするだろう。社員の勤労意欲を高める努力を怠ると,長期的な生産性低下に陥る危険があるからだ」,とMETA Group社IT Human Capital Management Strategiesプログラム担当ディレクタのMaria Schafer氏は説明する。

 具体的な対処策としては,「スキル向上プログラムの開始」(55%),「社員残留プログラムの改善」(24%)を挙げた企業が多かった。「昇給」(11%),「新たな人材の雇用」(11%),「金銭的なインセンティブ」(8%)などを実施する企業もある。社員の倦怠感を解消し,優秀な人材を確保するために,「社屋の移転」という思い切った策を講じた企業は5%だった。

 また大多数の企業が,社員の満足度を把握しようとしている。社内アンケートを実施している企業は84%,社員の業績査定プロセスで社員からフィードバックを得る企業は18%,社内に“意見箱”を設置してコミュニケーションを図ろうとする企業は15%だった。

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