「タブレットPCが登場した2002年第4四半期,世界における出荷台数は7万2000台に達した」。米IDCが米国時間3月17日にタブレットPCに関する調査結果を発表した。タブレットPCの首位市場は米国で,世界出荷台数の約半数を占めたという。

 発売開始からわずか6週間で,しかも製品のフォーム・ファクタが比較的未熟なのにもかかわらず,タブレットPCは幸先の良いスタートを切った。IDCは,2003年もタブレットPCが順調に出荷台数を伸ばすとみる。

 「携帯型パソコンに対する高い需要により,米国における発売時のタブレットPC出荷台数は好調に伸びた。一方,西欧,日本,アジア太平洋は大きな可能性を秘めた市場となるだろう。アジアにおいては,従来のキーボードが装備されたノートパソコンよりアジア諸国の言語入力を簡単にすれば,期待はさらに高まる」(IDCアナリストのAlan Promisel氏)

 第4四半期,垂直業界がOEMから大量のタブレットPCを導入した。垂直業界は伝統的に,タブレット型デバイスを受け入れている。また,法人市場での足場作りはタブレットPCの普及に必要不可欠だが,IT部門が導入前に評価するため,普及は少なくとも半年から1年先のことになる。

 メーカー別でみると,台湾のAcerと米Hewlett-Packard(HP)が,ともに出荷台数1万7000台超で1位に並んだ。タブレットPCで10年以上もの経験を有する富士通を抑えての首位獲得である。HP社の成功要因は,タブレットPCの積極的なマーケティングや法人市場における確立した地位,幅広い販売ネットワークだ。またAcer社は,米Microsoftと提携して最初のWindows XP Tablet PC搭載機を市場投入したメーカーの1社である。両社を僅差で追いかける富士通は,医療や法執行機関など,伝統的な垂直業界で強固な立場を築いている。

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