米PeopleSoftが自社の企業向けアプリケーションに,米IBM,米Microsoft,米Yahoo!のインスタント・メッセージング(IM)機能を統合する計画を明らかにした。ドイツのハノーバーで開催中の見本市「CeBIT 2003」で,現地時間3月14日に発表したもの。「当社アプリケーションのユーザーが,顧客やサプライヤ,パートナ企業とリアルタイムでやりとりできる協業環境を提供する」(PeopleSoft社)

 具体的には,IBM社のプレゼンス確認技術「Lotus Sametime」,Microsoft社のIMプラットフォーム「Greenwich」,Yahoo!社の企業向けIM製品「Yahoo! Messenger Enterprise Edition」を取り入れる。

 PeopleSoft社最高技術責任者(CTO)のRick Bergquist氏は,「アプリケーションやポータル・サイトの枠組み内でインスタント・メッセージをやりとりできれば,会社全体にわたる事業効率が向上する」と説明した。

 IM機能の統合により,PeopleSoft社製アプリケーションのユーザーは,相手がオンラインにアクセスしているか確認するプレゼンス確認機能,メッセージを音声に変換して転送するfollow-me機能,プライバシ設定機能などを利用できる。

 またPeopleSoft社は,企業ポータル・サイト構築ソフトウエアの新版「Enterprise Portal 8.8」にIBM社,Microsoft社,Yahoo!社のIM機能を組み込むことを同日発表した。Enterprise Portal 8.8はそのほか,ビジネス・プロセスに必要なリソースを即座に検出する「Resource Finder」機能や,コミュニティ単位のサブ・サイトを作成可能なサイト管理機能も備える。米国リリースは3月19日,海外向けリリースは3月28日を予定している。

 IBM社とYahoo!社によるIM機能は2003年第2四半期に世界中で利用可能にする。Microsoft社のIM機能は第4四半期に提供を開始する予定である。

◎関連記事
米ヤフー,企業向けIM製品「Yahoo! Messenger Enterprise Edition 1.0」を発表
米マイクロソフトが企業向けIMプラットフォーム「Greenwich」のベータ版を公開
米マイクロソフト,企業向けIMサービス「MSN Messenger Connect for Enterprises」を発表
英ロイター,米マイクロソフトと共同開発したIMサービス「Reuters Messaging」を開始
米IBMと米AOL,試験的に企業向けIMサービスを相互接続
米HPが米AOLと提携し,企業向けIMサービス「Enterprise AIM Services」提供へ
米AOL,企業向けIMサービス「Enterprise AIM Services」を開始
米FaceTimeが企業向けにセキュリティ管理を強化したIMソリューションを発表

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]