米Oracleは,堅牢なLinux環境の提供を目指す同社の取り組み「Unbreakable Linux」の一環として,顧客にLinux対応の技術サポートを提供する。Oracle社が,企業向けLinuxの統一を目指す団体UnitedLinuxとともに,ドイツのハノーバーで開催中の見本市「CeBIT」で現地時間3月13日に明らかにした。

 UnitedLinuxは,米Caldera International(現SCO Group),ブラジルのConectiva S.A.,ドイツのSuSE Linux AG,米Turbolinux(現ターボリナックス)が企業におけるLinux普及を目指して2002年5月に結成した共同事業。4社はUnitedLinux Version 1.0に自社の製品やサービスを付加し,各社のブランド名でマーケティングと販売を行う。UnitedLinux Version 1.0をベースにした各社の製品には,「Conectiva Linux Enterprise Edition」(Conectiva社),「SCO Linux Server 4.0」(SCO社),「SuSE Linux Enterprise Server 8」(SuSE社),「Turbolinux Enterprise Server 8」(ターボリナックス)などがある。

 Oracle社はこれら4社と共同チームを結成し,UnitedLinuxベースのLinuxディストリビューション上で利用されているOracle社製ソフトウエア向けに,技術サポートなどのサービスを提供する。Oracle社とサポート契約を締結し,さらにUnitedLinuxの4社のいずれかとOSサポート契約を結んでいる顧客を対象とする。

 Oracle社はUnitedLinuxと協力し,技術的問題の解明と修復に取り組む。Oracle社のOracle Support Servicesを通じて,今後のUnitedLinuxのメンテナンス・リリースの際に,パッチなどを顧客に配布する。

 ちなみに,Oracle社のデータベース「Oracle9i Database」とデータベース・クラスタリング技術「Oracle9i Real Application Clusters」は,UnitedLinuxからUnitedLinux Version 1.0対応の認定を受けている。

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