米Adobe Systemsは2003会計年度第1四半期(2002年12月~2003年2月期)の決算を米国時間3月13日に発表した。売上高は2億9690万ドルで,前年同期の2億6790万ドルと比べて11%増収。前期の2億9470万ドルからも増加した。GAAP(会計原則)ベースの純利益は5420万ドル(希薄化後の1株当り利益は0.23ドル)で,前年同期の4980万ドル(同0.20ドル)から9%成長した。前期は4010万ドル(同0.17)だった。

 リストラ費用や投資損益などの一時的な費用を除いた純利益は5890万ドルで,前年同期の5280万ドルと比べて約12%増加したが,前期の5910万ドルと比べるとわずかに減少した。なお,一時的な費用を除いた希薄化後の1株当り利益は0.25ドルとなった。

 Adobe社は,2002年12月~2003年2月期の売上高を2億7500万~2億9000万ドルの範囲,一時的な費用を除いた1株当たり利益を0.21~0.23ドルの範囲と予測していた。「売上高と一時的な費用を除いた利益のいずれも,この予測を上回る結果となった」(Adobe社)

 「2四半期連続で売上高の2ケタ台の成長率となり,2003年に素晴らしいスタートを切ることができた」(Adobe社社長兼CEOのBruce R. Chizen氏)

 営業権の償却費用やリストラ費用など,一時的な費用を除いた営業利益は8050万ドル。前年同期の7270万ドルから増加したが,前期の8380万ドルからは減少した。一時的な費用を除いた場合の営業利益率は27.1%。前年同期は同じく27.1%,前期は28.4%だった。

 なお同社は,2003会計年度第2四半期(2003年3月~5月期)の見通しについても明らかにした。売上高が3億~3億1500万ドルの範囲で,一時的な費用を除いた営業利益率は26~28%と予測。また,GAAPベースと一時的な費用を除いた1株当り利益は0.24~0.27ドルと見込んでいる。

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