ユーザー認証技術の標準化団体Liberty Alliance Projectは,シングル・サインオンに関するアーキテクチャ「Liberty Alliance Federated Network Identity Architecture」の概要とロードマップを米国時間3月11日に発表した。「同アーキテクチャにより,認証ベースWebサービス導入を阻む技術的障害の多くを解決できる」(Liberty Alliance)とする。

 同アーキテクチャと,Liberty Allianceの策定する仕様の現在および将来の機能については,Webサイトで入手可能な「Introduction to the Liberty Alliance Identity Architecture」に記載している。

 計画では,2つの段階に分けて同アーキテクチャ対応仕様を公開する。

 現在は第1段階にあり,これまでフェデレーション対応ユーザー管理の基盤となる仕様集「Liberty Alliance Identity Federation Framework(ID-FF)」を2002年7月に公開し,2003年1月に改訂した。ID-FFは,すでに関係を持っている組織グループ内にある多種多様なユーザー情報をフェデレーションまたはリンクし,シングル・サインオンを利用可能とするための標準的な手法を提供する。

 第2段階では,2003年中ごろにID-FFを強化し,「Identity Web Services Framework(ID-WSF)」をリリースする。ID-WSFでは,相互接続可能な認証ベースWebサービスの構築に必要な技術要素の概要を示す。「このWebサービスは,特定の作業目的に合致し,ユーザーの共有情報についてプライバシとセキュリティを保護できる」(Liberty Alliance)

 さらに,ID-WSFをベースとする仕様集「Liberty Alliance Identity Services Interface Specifications(ID-SIS)」の提供も行う。これにより企業などは,プロファイル登録/連絡先リスト/カレンダ/位置情報またはアラート・サービスなど相互接続可能なサービスを構築するための,標準的な手法を利用可能となる。

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