米Yankee Groupは,企業向けインスタント・メッセージング(EIM)製品に関する調査結果を米国時間3月11日に発表した。同社の新しいレポートは,EIMの使用に関する企業戦略において,従業員間による内部の利用と,外部に向けた顧客,ビジネス・パートナとの利用の両方に対処する必要があるとアドバイスしている。

 2002年後半に,AOL,IBM/Lotus,Microsoft,Reuters,Yahoo!,Oracleの大手企業6社が新しいEIM製品を発表した。激しい競争により,企業には,新しい選択肢と同時に決定を下すという課題も与えられた。IMを配備する際に,公衆IP網,適切にホストされたIMソリューション,企業サーバーIMソリューションの3つのモデルを考慮すべきだという。

 「企業内部におけるIMの利用が増加するため,企業は重要な決断を下さなければならない。2つの誤った選択は,単純にIMの利用を阻止すること,そしてIMの使用に関して管理と制約をまったく行わないことである」(同社Internet Business Strategiesのプログラム・マネージャのPaul Ritter氏)

 同氏によれば,IMは企業のコミュニケーションにおいて重要なコンポーネントになりつつあり,企業はこれを制御するためのプログラムを実装しなければならない。このプログラムとは,IMコミュニケーションで送受信されるメッセージの管理を行い,すべてのメッセージを監査可能な記録を保持するシステムの配備を意味する。

 「企業は,従業員が就労中にIMを使っていることを認識している。問題は,使用を許可するか否かではなく,企業にとってもっとも利益をもたらすために,どのように管理,記録するべきかである」(同氏)

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