米Transmetaは,次世代Crusoeアーキテクチャをベースにした「TM8000」プロセサ(開発コード名「Astro」)の詳細について米国時間3月10日,明らかにした。「処理性能と電力消費効率を引き上げ,薄型軽量ノート・パソコンやタブレットPCのほか,SOHOのサーバー,高密度ブレード・サーバー,騒音の少ないデスクトップ・パソコンなどで威力を発揮する」(Transmeta社)としている。

 TM8000は,86系命令をプロセサ内蔵の独自命令セットVLIWに変換するソフトウエア「Code Morphing Software(CMS)」の強化版と,消費電力管理技術「LongRun」を採用する。また,1クロック・サイクル当たり8命令を処理できる点が特徴だ。

 400MHzの「HyperTransport」バス・インタフェース,Double Date Rate 400(DDR-400)SDRAMメモリ・インタフェース,AGP-4Xグラフィックス・インタフェースをオンチップに搭載する。これにより,「電力消費の削減と駆動時間の延長を実現する」(Transmeta社)

 そのほか,業界標準規格のLow Pin Count(LPC)バスを採用しており,高密度LPCフラッシュ・メモリーの利用が可能。

 TM8000は2003年第3四半期に量産体制に入る。正式なリリースは2003年下旬の予定。台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)で,0.13μmルールの半導体技術を用いて製造する。

 ちなみに米IDC上級リサーチ・アナリストのShane Rau氏によると,今年はノート・パソコンの出荷台数が伸びる見込みである。その結果,ノート・パソコン向けプロセサの売上高は50億ドルに達し,前年と比べて10%以上増加するという。

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