米Applied Digital Solutionsは米IBMと米IBM Credit LLCを,「資金貸付契約を悪用し,当社の業務を妨害している」として提訴に踏み切った。Applied Digital社が米国時間3月7日に明らかにしたもので,同社は前日フロリダ州パーム・ビーチ郡の裁判所に訴状を提出したという。

 Applied Digital社は,フロリダ州に拠点を置く技術開発企業。人体に埋め込んで利用するIC「VeriChip」を開発/商品化したことで知られる(関連記事その1関連記事その2)。

 IBM Credit社はApplied Digital社に1999年から資金貸付を行っており,IBM社は両社間の契約を理由に2003年3月6日までに約4620万ドルを返済する求めていた。Applied Digital社は「(この返済要求は)当社の事業遂行能力を著しく損なう」として,返済に応じていない。

 Applied Digital社の示した提訴理由は以下の通り。

・業務関係に対する不正な干渉

・詐欺行為/民事RICO(Racketeer Influenced and Corrupt Organization)法に対する共謀

・誠実で公正な取引に対する不正行為および契約不履行

・貸手の責任

・フロリダ州統一取引機密保護法(Florida Uniform Trade Secrets Protection Act)違反

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,Applied Digital社の借入金額は7700万ドル。同社はその第1回締め切り日の2月28日に返済をしていないという。また2回目の締切日は3月6日だった。同社社長のScott R. Silverman氏は,IBM社がVeriChipの権利を握ろうとしている,などと主張している。

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