米Microsoftは,企業向けインスタント・メッセージング(IM)プラットフォーム「Greenwich」(開発コード名)のベータ版を一般公開した。Microsoft社が米国時間3月6日に明らかにしたもの。

 Greenwichは業界標準の技術を採用しており,企業は既存の技術資産や使い慣れたツールを使って簡単に導入/管理できるという。またやり取りするメッセージを記録できるので,「企業の機密や知的財産を保護し,特定業界の規制を確実に遵守できる」(Microsoft社)

 Greenwichについて,Microsoft社リアルタイム・コラボレーション事業部門担当副社長のAnoop Gupta氏は,「企業にとって管理しやすいIMソリューション」としている。「既存のアプリケーションや新ソリューションに,“相手がオンライン状態にあって通信可能か”を確認できるプレゼンス機能とIM機能を組み込ための,拡張可能なプラットフォームを提供する」(同氏)

 さらに同氏は,「プレゼンス・ベースのコミュニケーション手段は,情報ワーカーの協調方法を根本的に変えることになるだろう」と述べ,「ちょうど電子メールが,1980年代終盤から1990年年代初めにかけて企業におけるコミュニケーションを変化させたのとまったく同じだ」と説明する。

 Greenwichの主な特徴は以下の通り。

・プレゼンス・ベース機能により,通信可能な状態にあるユーザーと直接メッセージを交換でき,時間的に余裕のない通信の価値を高める

・「MSN Messenger Connect for Enterprises」サービスと組み合わせることで,BtoC向けIMに有効な認証/管理機能を提供できる

・データとの組み合わせや,パソコン同士による音声やビデオなどの交換が可能なプラットフォームであり,将来登場するであろうコミュニケーション用アプリケーションの基盤となる

 Greenwichの製品版リリースは,2003年中ごろの予定。

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