米ScanSoft社は,文書ファイルや画像ファイルの共有,閲覧,管理を行うソフトの新版「PaperPort Pro 9 Office」を発表した。同製品は,PDAファイルの作成,ネットワーク・スキャニング,ドキュメント管理を単一のアプリケーションで行う。
同製品は,PC向け文書管理ソフト「PaperPort Deluxe」の企業向けのバージョン。PCデスクトップをOracle 9i,Microsoft SharePointを含む企業の既存のバックエンド・システムに接続することにより,ペーパーレスなドキュメントの流れを生成する。
鍵となる機能は,任意のMicrosoft WindowsアプリケーションからPDFファイルを作成できるビルトインのサポートにある。別にPDF作成,編集,閲覧ソフトは必要ない。他のPDF作成アプリケーションと同じように,メモの貼り付け,注釈,ハイライトなどを付ける機能,PDFファイルを電子メールの添付ファイルとして送信する機能,PDFファイルを記入して印刷可能な電子フォームに変換する機能なども提供する。
しかし,PaperPortには,複数形式のドキュメント・セットをPDF電子メール添付ファイルに自動的に変換する機能があるため,ユーザーはドラッグ&ドロップのスタッキング・コントロールを使ってカスタムのPDFファイルにまとめられる。また,ネットワーク化された多機能プリンタ(MFP)とデジタル・コピー機を使ってスキャンしたドキュメントを自動的にデスクトップに送信できる。
「PaperPort Pro 9 Office」の主な特徴は次の通り。
・PDF作成機能
Word,Excel,PowerPoint,Visioといった既存の電子ドキュメントからPDFファイルを作成する。TIFF,MAX,JPG,BMP,Corel,Autodeskなどを含むほぼすべてのフォーマットをPDFファイルに変換できる。
・高速かつ容易なドキュメント作成
マウスのシングル・クリックで,スキャンした書類,Word,Excel,PowerPointといったPCアプリケーションからのページを単一のドキュメントにまとめられる。
・直感的なサムネイル表示
ほぼすべてのファイル・タイプとイメージ形式は,PaperPort Pro Officeのビジュアル・デスクトップでサムネイルとして閲覧可能。ユーザーはドキュメントを開かなくても迅速に見つけることができる。また,ビルトインでTIFF,JPG,PDF,Word, Excel,PowerPointファイルなどのイメージ形式を閲覧できるビューアを収録している。
・安全なコラボレーション
PaperPortは,電子メールシステム内で動作して,Wordやその他の編集可能なドキュメントを閲覧可能だが,編集ができない,より安全なPDFファイルに変換して閲覧プロセスを強化する。レビュー・コメントを残すために,PDFファイル内に付箋,ハイライト,スタンプなどの注釈をつけられる。
・WWWページをPDFとしてキャプチャ
WWWページをPDFファイルとしてキャプチャする。PDF添付ファイルとして共有することによりリンクによるWWWへの接続が必要なくなる。
・紙からPDFへのテキストのカット&ペースト
OCRによりスキャンしたイメージやPDFファイルからのテキストを抽出するために,再びタイプする必要がなくなった。スキャンしたドキュメントの一部をクリップボードにコピーして,ワープロや電子メール・メッセージに貼り付けることもできる。
・ネットワーク・スキャンからデスクトップへの自動送信
PaperPort DesktopDeliveryは,自動的にネットワーク化されたスキャナまたはデジタル・コピー機からドキュメントをPaperPortデスクトップに送信する。紙の文書のデジタル化を容易にするため,オンラインや電子メールによって共有できる。
・オールインワンのドキュメント検索
SimpleSearch機能により,ユーザーは,キーワードまたはメタデータ検索リクエストで任意のドキュメントを迅速に検索できる。ローカルのPCとネットワーク上のドキュメントは自動的にインデックス付けされる。精度の高いOCRによりスキャンした文書やPDFファイルも検索可能になる。
「PaperPort Pro 9 Office」の価格は199.99ドル(ユーザー当たり)。企業内のグループでの利用に向けたライセンスの割り引き価格も用意されている。
◎関連記事
■米MicrosoftがOffice eServicesポータル用に米ScanSoftのプロダクティビティ・アプリケーションを選択
■米IBMが音声認識ソフトウエアを米ScanSoftのテキスト読み上げソフト「RealSpeak」で拡張
[発表資料へ]