米Microsoftが米Lindows.comを相手取って起こしていた商標権侵害訴訟で,シアトルの米連邦地方裁判所はMicrosoft社に新たな証拠書類を提出するよう命じた。これにより,陪審裁判の開始は2003年12月1日に延期となる。Lindows.com社が米国時間3月3日に明らかにしたもの。

 この訴訟は,Lindows.com社の名称と同社の製品「Lindows OS」がMicrosoft社の登録商標「Windows」をまねているとして,2001年12月にMicrosoft社がLindows.com社を提訴したもの。Lindows.com社は略式裁判を請求していたが,シアトル連邦地裁は2003年1月にこれを却下。その結果,「Windowsという言葉が商標として有効かどうか」の判断が,陪審裁判の手に委ねられることになった。陪審裁判は4月7日に始まる予定だった。

 今回,提出が要請された証拠書類には,1992年に米Apple ComputerとMicrosoft社との間で争われた裁判の提出資料が含まれる。資料は,「ウインドウ,アイコン,メニューはコンピュータ・ビジネスで広く利用されているものであるため、1社の所有財産とは認められない」とするMicrosoft社の当時の主張が明示されているという。

 「これは現在Microsoft社がLindows.com社に対して抗議している内容と矛盾する」(Lindows.com社)

 Lindows.com社CEOのMichael Robertson氏は,「Microsoft社がこれまで提出を拒否していた資料を調査する時間が与えられたことに感謝する。提出が要請された書類は,Windowsという言葉が一般的であり,1社の占有的所有物にあたらないことを証明する数々の証拠物件に加わるだろう」と述べた。

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