米IBMは米国時間2月28日,フランスの金融・保険サービス大手のAXA Groupとアウトソーシング契約を締結したとを発表した。契約期間は6年間で,契約金額はおよそ10億ドルに上るという。

 提携のもと,IBM社のGlobal Services部門はAXA社のサーバー,メインフレーム,ストレージ・システムを統合し,1つのオンデマンド・コンピューティング・サービスとして提供する。AXA社は,IBM社のコンピュータ処理能力とストレージ容量の利用分に応じて,料金を支払っていく。また,契約の一環として,IBM社はAXA社の従業員にトレーニング・サービスも提供する。

 AXA社はこのアウトソーシング契約により,数百万ドルのコストを削減できると見込んでいる。なおAXA社は,IT戦略や戦略技術関係,データベースやアプリケーションの開発および保守といった中核のIT技術は自社で確保していくという。

 金融サービス業界では,ITコストの削減のために従量制のコンピューティング・サービスを付加したアウトソーシング契約を結ぶ企業が増えている。先ごろも証券会社の米JP Morganやドイツの大手銀行,Deutsche BankがIBM社との大規模なアウトソーシング契約を発表している。

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