「世界のエンド・ユーザーによって生成される1日のインターネット・トラフィックは, 2002年の180ペタ・ビットが2007年末までに5175ペタ・ビットに増加する」。米IDCが,インターネット・トラフィックに関する調査結果を米国時間2月27日に発表した。同社によれば,この先5年間でインターネット・トラフィックは,毎年2倍ずつ成長するという。

 米国会図書館の全書籍の情報量は,10テラ・バイトに相当する。同社は,インターネット・ユーザーは,2007年までに1日に同図書館の6万4000個分に相当するデータにアクセス,ダウンロード,共有するようになると予測している。

 「業界の観測筋によっては,電気通信の沈滞を原因としてインターネット・トラフィックの成長の低下を予測しているところもあるが,IDCの調査によれば,インターネットの成長は強力であるとともに,この先5年間で3ケタ台に近い割合で増加し続けるとする結果が出ている」(同社のシニア・アナリストのSterling Perrin氏)

 「ネットワーク上の音声とデータ・トラフィックの総量が増加する限り,純粋なSONETベースの製品よりも安く,もっと効率的にトランスポートと管理ができる次世代光通信向けの設備など,装置購入のニーズも上昇する」(同氏)

 トラフィック増加の要因として,インターネット・ユーザー数の増加も重要だが,ユーザーのアクセス・パイプが太くなる方が全体のトラフィックの増加につながっている。特に世界の消費者によるブロードバンドの導入は,生成されるインターネット・トラフィック量において,成長がもっとも速く,また最大の部分を占めている。

 ユーザーの割合をみると,2007年までに,生成されるインターネット・トラフィック全体の60%が一般ユーザーによるものであり,およそ40%がビジネス・ユーザーのものになると推測される。今回予測している期間においては,モバイル・インターネット・ユーザーによるトラフィックの影響は小さい。

◎関連記事
ブロードバンド向けセキュリティ市場,2004年は8億2900万ドル規模で2000年の11倍に
家庭でのブロードバンド利用者1000万人突破。ネットレイティングス調べ
「ブロードバンドの普及で米AOLが窮地に,2005年には10億ドルの収入減」――米調査
ブロードバンド加入者は2002年末で780万。CATVは195万,FTTHは20万

発表資料へ