EMS(電子機器の委託製造サービス)大手の米Sanmina-SCIと富士通の米国子会社Fujitsu Microelectronics America(FMA)は,富士通の指紋センサー技術を使った製品を共同でマーケティングすることで提携した。両社が米国時間2月27日に,了解覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に署名したことを明らかにしたもの。今後両社は,さまざまな用途に向け,富士通の指紋センサー用ICをベースとする製品の開発を進めるという。

 これによりSanmina-SCI社は,富士通の指紋センサーICと照合エンジン・アルゴリズムを利用し,生体認証機能を備えるシステム・ソリューションの設計/開発を行う。用途としては,物理アクセス,取引端末,個人/企業向けコンピューティング,モバイル機器,無線システム,本土安全保障向けアプリケーションなどを想定する。

 この提携について,両社はそれぞれ以下のようにコメントしている。

 「この提携は,富士通の生体認証センサー技術の現在および将来の顧客に,最高の開発/製造サービスを約束するものだ」(FMA社バイオメトリクス・センサー製品グループ担当ディレクタのDoug McArthur氏)

 「FMA社の革新的な技術と当社の実績ある開発/製造能力を,両社の持つ品質/サービスに組み合わせることで,顧客の成功に大きく貢献することができる」(Sanmina-SCI社グローバル技術ソリューション・グループ,システム・ソリューション担当副社長のNorm Wheaton氏)

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