米Trimbleと米Rosumは米国時間2月27日,方位測定技術の開発とライセンスで提携を結んだことを明らかにした。Trimble社の全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)技術とRosum社のテレビ信号ベースの方位測定技術を組み合わせ,それぞれの技術だけでは困難だった地域の位置検出を可能にする。提携金額などの詳細については明らかにしていない。

 建物の内外ともに対応できる世界的な方位測定手法は,特にSCMや資産追跡,ロジスティクスや在庫管理,セキュリティ,車載システムなどに有効だ。Trimble社は方位測定技術と,テレビ信号などの通信技術を組み合わせて,位置を認識する各種製品を開発する予定である。

 「GPSはアウトドアで大変活躍している。当社はジャイロ,オドメータ,スピードメータなどのセンサーとDSP(Digital Signal Processor)を用いてGPSの能力を高めることに成功した。しかし,ビルの中や建物に囲まれた場所,密集した都会などでは,高度なGPSにも限界がある。Rosum社のテレビ信号ベースの技術により,当社の方位測定製品の機能をさらに引き上げる」(Trimble社Component Technologies部門バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのDennis Workman氏)

 Rosum社の技術は,GPS衛星の信号の代わりに,アナログやデジタル・テレビ局の高出力,広帯域信号を利用する。テレビ信号は都市部をカバーしているうえ,ビルなどの建造物を通過する。こうした特性と世界を網羅するGPSを組み合わせることで,「信頼性の高い真の全世界的位置測定を提供する」(両社)としている。

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