ドイツのSAP AGは,「調達コストを削減して生産性を高めるために,サプライヤの関係管理を行う『mySAP Supplier Relationship Management(mySAP SRM)』を導入する企業が急増している」と現地時間2月26日に発表した。

 独DaimlerChrysler社,米Steelcase社,独Bertelsmann AG社,オランダのAkzo Nobel社,インドの企業グループMahindra & Mahindraなど自動車業界,メディア,製造業など,様々な業種の大手企業が同製品を導入して効果をあげている,としている。

 「mySAP SRM」は,すべての分野におけるサプライヤ関係の利益を最大化することを狙ったソリューション。新規サプライヤの選択,契約の管理,すべてのサプライヤにおける企業間に渡るプロセスの自動化,などを支援する。サプライヤは容易かつ経済的に電子調達に参加でき,企業は,複数の事業部と異種システムにまたがる購買活動が把握できるという。

 2002年3月に同ソリューションをドイツと米国の試験工場の3つに配備したDaimlerChrysler社は,ドイツ国内においてさらに10工場に導入した。現在では1400名のユーザーがいる。今後は,ドイツ国内でユーザーを6000人まで伸ばし,より多くのロケーションへの配備を計画している。同社の計画では,まずオフィス製品,機械,電子部品,機械の予備部品などのセルフ・サービス型調達で同製品を導入した。

 「同製品の導入により,サービスの購入を含めた調達の自動化が可能になった。これにより,すべての購買活動におけるコストの削減と効率性の強化が実現された」(DaimlerChrysler社のInternational Procurement ServicesディレクタのKlaus Gritsch氏)

 Steelcase社は,ビジネス・パートナ関係を最適化するために同製品を導入した戦略的な調達,サプライヤの選択,レポーティングなどの機能を利用している。同社のサプライ・チェーン管理のディレクタであるRob Heitmeier氏は,「サプライヤに直感的なインタフェースとインタラクションのポイントを与えることにより,活動が簡単になった」と報告している。

◎関連記事
SAP,中堅企業向けに業種を特化して販売を強化
独フォルクスワーゲン・グループが独SAPの「mySAP CRM」を導入

発表資料へ